銀行には、貸金業法で定められた年収の1/3という融資額の制限(総量規制)が適用されず、銀行のカードローンが多重債務対策の抜け道になっているといわれています。
銀行のカードローンの融資残高が急増し、過剰融資、多重債務を懸念する声が強まってきています。
貸金業法の貸金業者の個人向け無担保ローン(消費者金融)の残高を、銀行・信金カードローンの残高が超えてきているのです。
日銀の低金利政策、大規模金融緩和の中、収益基盤が揺らいできた銀行や信用金庫が個人に高い金利で融資できるカードローン事業を軒並み強化、宣伝にも力を入れ、銀行にとっては主力商品に成長したのです。
銀行のなりふり構わぬカードローン融資の姿勢に「新たな多重債務の温床」であると批判が強まり、日本弁護士連合会は、2016年9月、「借り手保護の観点から、銀行カードローンも総量規制すべきだ」との意見書を公表しました。
<2020年3月 銀行・信金カードローンと貸金業の消費者向け無担保融資残高 推移・比較>
日銀統計のカードローン等残高(銀行+信金)
金融庁の貸金業関係資料集 貸金業の消費者向け無担保融資残高
単位:億円 | 貸金業者 消費者向無担保残高 |
銀行・信金 カードローン等残高 |
H16.3月 | 168,772 | 47,736 |
H17.3月 | 170,094 | 45,598 |
H18.3月 | 176,399 | 42,566 |
H19.3月 | 172,651 | 41,411 |
H20.3月 | 153,695 | 40,107 |
H21.3月 | 132,699 | 39,099 |
H22.3月 | 107,207 | 38,846 |
H23.3月 | 77,055 | 38,218 |
H24.3月 | 61,185 | 38,525 |
H25.3月 | 51,183 | 40,768 |
H26.3月 | 46,965 | 46,538 |
H27.3月 | 44,837 | 51,854 |
H28.3月 | 44,438 | 57,161 |
H29.3月 | 44,617 | 62,195 |
H30.3月 | 45,108 | 64,450 |
H31.3月 | 46,406 | 63,308 |
R2.3月 | 47,714 | 61,438 |