本文へスキップ

社会福祉協議会の不動産担保型生活資金・リバースモーゲージローン

コラム一覧(不動産担保型生活資金)

奨学金の滞納でブラックリスト(事故情報)に登録されてしまう人も、貸与型奨学金はローンです

学生の奨学金というとローンというイメージは少ないでしょう。
wikipediaでは「奨学金とは、能力のある学生に対して、金銭の給付を行う制度である。奨学金の厳格な定義としては、学業成績等が優秀な生徒・学生に対して、修学を促すことを目的とするため、返済義務が全く無い給付奨学金の事をいう。」とあります。
奨学の意味は文字通り、学問や学術研究を奨励すること。

確かに給付型の奨学金は返済義務がありませんが、日本において奨学金の定義には無利子ないし低金利を伴う貸与が含まれています。
貸与つまりローンです。

奨学金といえば独立行政法人日本学生支援機構の奨学金。
日本学生支援機構の奨学金には第一種奨学金(無利息で貸与)と第二種奨学金(有利息で貸与)がありますが、つまりすべて貸与=ローンなのです。
日本学生支援機構の事業説明では学生の『2.6人に1人』が奨学金を利用となっています。
また、日本国憲法や教育基本法に定められた「教育の機会均等」を制度的に支える、教育のセイフティーネットと位置づけられる役割で、極めて高い社会的意義・政策的重要性があるとも書かれています。
しかし、貸与=ローンなのです。

日本学生支援機構の奨学金の貸与残高(平成27年度末)で、第一種奨学金が2.6兆円、第二種奨学金が6.3兆円、あわせて9兆円弱あるそうです。今では軽く9兆円を超えているでしょう。
勉強中で、収入もない、信用力もない学生によくもこれだけ貸付けたものです。
ようやく、政府(文部科学省)も返済不要の給付型奨学金を制度化しました。(2018年度から本格運用で、低所得者層の学生に月2万円から4万円の奨学金)
奨学金全体の規模からみると微々たるものでしょう。
ほとんどの奨学金が貸与型で利息は低利または無利息=金利ゼロですが、ここに落とし穴が待ち受けているのです。

スポンサーリンク




日本学生支援機構によると、平成27年度の奨学金の3ヵ月以上の延滞債権(要返還債権比率)が第一種奨学金が4.0%、第二種奨学金が3.6%、金額にすると第一種奨学金が728億円、第二種奨学金が1668億円、あわせて2396億円。
すごい金額です。
これだけ延滞が発生しうる貸付をまだ収入のない学生に教育のセイフティーネット?のために行っていて、毎年その残高も増加している。
さてこれらの状況には様々な社会情勢が関係していると思いますがそれはさておき。
日本学生支援機構は平成20年11月に全国銀行個人信用情報センター(KSC)に加盟しました。

日本学生支援機構の奨学金の延滞債権・不良債権が年々増加していく中で、国が設置した有識者会議が「日本学生支援機構の奨学金返済促進について」という提案の中で、奨学金=教育ローンつまり金融商品、延滞者の情報を個人信用情報機関に登録し、他の金融商品と合わせて過剰貸付を抑制し多重債務を防止=つまり督促強化ということをあげたのです。

もちろん裏で文部科学省が筋書きをしているのでしょうが、要するに国が「奨学金を返済しない者=延滞者」はブラックリストに登録してもいいとしたわけです。

日本学生支援機構のホームページにも
・個人信用情報の取り扱いに関する同意書を提出していただいている方のうち、現在奨学金を返還されている方は、延滞3か月以上の場合に個人信用情報機関に個人情報が登録されます。
・本人の個人情報として氏名、住所、生年月日、電話番号、勤務先等、契約の情報として、貸与額、最終返還期日等が登録されます。その他に延滞、代位弁済、完済等の返還状況も登録されます。

さらに、
個人信用情報機関に延滞者として登録されると、その情報を参照した金融機関等がその人を「経済的信用が低い」と判断することがあります。それによって、クレジットカードが発行されなかったり、利用が止められたりすることがあります。そのため、各種料金(公共料金や携帯電話等)の引落し、ショッピング(インターネット含む)やキャッシング等ができなくなる場合があります。

また、自動車ローン及び住宅ローン等の各種ローンが組めなくなる場合があります。
一度登録された情報は、延滞中はもちろんのこと、延滞を解消しても一般のクレジットカードと同様に約束どおり返済している人の情報として登録され続け、返還完了の5年後に削除されます。
と書かれています。

もちろん、民間の貸金業者やクレジットカード会社、銀行と同じように「個人信用情報の取り扱いに関する同意書」の提出をしていますから、当然と言えば当然なのでしょうが。

奨学金を活用して学生を卒業して、奨学金の返還が始まる。
ローンの返済もする立派な社会人なのかもしれません。奨学金の返済の遅延が始まる時期も人それぞれでしょう。

それでも信用情報のブラックリストに載ってしまうと、
・クレジットカードの作れない
・今持っているクレジットカードが利用停止になる
・ローン・キャッシングができない
・住宅ローンが組めない
など様々な影響が出ますし、多重債務になって債務整理(自己破産・任意整理・個人再生など)に追い込まれる場合もあります。

日本学生支援機構といっても、延滞者への督促は民間金融機関と変わりません。
それを強化しているのです。
さらに延滞期間が長引くと、サービサー=債権回収業者に依頼して法的な強制執行を伴う行動を取ってきます。

奨学金の貸与の契約の際、両親や親族の方に保証人になっていただいている場合もあるでしょう
保証人に対してもマニュアル通りの(容赦ない)対応しかしません。結局はお役所仕事。
奨学金の返済に困った場合の猶予制度や減額返済制度などもあります。
自分だけで抱え込まず、市町村、弁護士や相談機関に早めに相談をしてください。


⇒ コラム一覧(不動産担保型生活資金)へ


スポンサーリンク



スポンサーリンク


リンクユニット


不動産担保型生活資金
に関するQ&A


不動産担保型生活資金コラム

全国対応は日宝↓




スポンサーリンク